泥棒が背負っている変な柄の風呂敷について

furoshiki_gara子どもの学校はたった5日間の中学受験の入試休みでさえ、大量の宿題を課してくる。国語、英語、社会のレポート、理科の研究レポート。ただ内容は、いかにもお勉強といった夏休みや冬休み程のものではなく、親のお手伝いとそれに対する親からの感謝の言葉の全容とか、自分がちょっと気になった事柄について調べたことのレポートとか、そこまで難しいものではない。そして我が子がレポート用紙のタイトルの部分に書きこんだ内容は、泥棒が背負っている変な柄の風呂敷についてということだった。

現代の泥棒はすっかり近代化していて、唐草模様の風呂敷を背中に背負い、顔には黒いほっかむりをしているようなことはない。作業員のような恰好をしていたり、何かの営業をして回っているスーツを着たサラリーマンのようだったりするらしい。住宅街を歩いていても不自然ではないルックスで、堂々と物色できる物件を探しているのだという。

昔の泥棒は手ぶらで出向き、あたりをつけた家の鍵を壊して侵入する。盗む物を集めたら、その当時はどの家にも1枚はあったという、唐草模様の風呂敷にそれら戦利品を包んで出て行くのだ。そこから泥棒のイメージとして、唐草模様の風呂敷を背負っているイメージになったらしい。現代の泥棒が盗んだ物を何に入れているのか知らないが、鍵を壊して侵入することは昔から変わらない。各家庭に1枚は唐草模様の風呂敷があったというのも、元々唐草模様が縁起の良い模様だからという説があったそうで、きっとやり手の泥棒は、唐草模様の風呂敷も沢山奪って持っていたのだろう。

今は空き巣や泥棒に入られないよう、防犯対策が普通にされている。鍵が複雑になったり、壊されないように頑丈になったり、数を増やしたりと防犯への意識も高くなっている。このような環境で窃盗を生業とする人たちは、生きていくのがなかなか難しいのではないだろうか。

サブコンテンツ

このページの先頭へ